ORCA 4.1.0のマニュアルによるとPerdewらのSCAN汎関数が入っていることになっているのですが,NWChem開発版のSCANと違う計算結果になるという…….TPSSだと大体同じ結果になるのですが.
書いた日: 2018年12月14日
DLPNO関係や多参照理論,新しい密度汎関数,コンフォーマーを考慮したNMR計算,Optimiserの改良など多数の機能が追加されている模様です.
NWChem 6.8.1が少し大きい分子の計算でクラッシュするのはScaLAPACKにリンクしなければ起こらない模様.
書いた日: 2018年10月27日
GAMESSのDFTB3-D3でいくつか計算を試しているのですが,ざっくりと傾向を見るだけならかなり使えそうな感触です.PCMを使っても計算が速いので大変便利.
書いた日: 2018年10月1日
DFTB,FMOあたりの機能追加,バグフィックスがメインのようです.DFTBはインプットが簡単になったようなので試してみたいところです.
書いた日: 2018年9月4日
GeomeTRICというgeometry optimizerを試してみました.
構造最適化の対象は何でも良かったのですが,フェニルアラニンとバリンが縮合したジペプチドとし,予めPM6-D3H4で構造最適化を行ったうえで,再度計算を行いました.EnergyとgradientはPSI4を用い,molproの収束判定基準でPBEh-3cレベルで構造最適化行い,同様な条件でPSI4のoptimizerを用いた場合と比較しました.結果は次のとおりです.
もちろん同じマシン上で実行したのですが,必ずしも早く収束するとは限らないようで…….そのうち別の分子でも試してみましょう.
書いた日: 2018年7月29日
気がついたらPSI4 1.2がリリースされていて,更にバグフィック版の1.2.1がリリースされています.PSI4 1.1に比べると計算がかなり速くなっています.
書いた日: 2018年6月25日
前評判通り,POWER9とVolta GPUを積んだアメリカのスパコンが久しぶりに中国から首位を奪還した模様.資金流用の某スパコンが解体されてしまったのは本当にもったいないですね.
Ryzen Threadripper 2でついにコンシューマ向けCPUが32コアになるようですが,サーバー用CPUを買わなくても大量に計算を流せる時代が来ましたね.メモリ帯域が弱点のようですが,分子系のDFT計算では問題にならないでしょうし.
DFTで構造最適化と振動数計算をやって10 cm-1以下の虚数振動が残る場合,初期構造を変えるのではなく積分グリッドを大きくしたほうが良いことが多いですね.
書いた日: 2018年4月29日
EPYCでORCAのベンチマークをとることができたのですが,同程度のベースクロックのXeon Silverより僅かに遅い(3-4%)程度のようです.プロセッサに関係なく16コア以上並列してもあまり性能は向上しないので,クロックが高くECCメモリも使えるRyzen Threadripperは良い選択肢となりそうです.
久しぶりにPSI4の開発版をコンパイルしたのですが,並列化効率がPSI4 1.1よりかなり良くなっているようです.
書いた日: 2018年2月23日
2月14日にリリースされていた模様です.EFMOのanalytical gradientが入った模様.
書いた日: 2018年1月15日
CPU脆弱性の影響でパフォーマンスが低下するということが騒がれていますが,量子化学計算でどの程度影響があるのかをORCA 4.0.1.2で調べてみました.計算内容はRIJONX-revPBE38-D3(BJ)/def2-SVPレベルでの3,6-ビス[N,N-ビス(4-メトキシフェニル)アミノ]-9H-カルバゾールの構造最適化と振動数計算です.
使用したマシンはopenSUSE 42.3がインストールされたXeon Silver 4114のデュアルソケットマシンで,HTT無効で合計20コアを使用しました.
結果は,パッチを当てる前が254.962 min,パッチを当てた後が262.789 minでした.3%遅くなっていますが,DFTだとI/Oの負荷も高くありませんので,さほど影響はないようです.
書いた日: 2018年1月1日
というわけで,年が変わりました.昨年は新しい記事を書けませんでしたが,計算結果がWeb公開するのにためらいが生じる (論文にしたほうが良いのではないか) というものばかりだったためで,今年は地味な計算でもやって地味に記事を書いていきたいと思います.